「相続税の制度」に関するお役立ち情報
相続税の書面添付制度のメリット
1 相続税は申告納税方式を採用している
書面添付制度について説明する前に、そもそも相続税がどのような納税方式であるかの説明する必要があります。
相続税には基礎控除が定められているので、相続財産が基礎控除の額の範囲内であれば、相続税申告が不要です。
他方、基礎控除額を超える相続財産がある場合は、原則として相続税の申告と納税が必要になります。
つまり、相続税は、原則として、納税者の自主申告に基づき算出されたうえで納税が行われることになります。
このように、納税者が自分で計算して申告・納税する方法を、「申告納税方式」といいます。
この申告納税方式の場合、税務署は納税者の申告内容が正しいかどうかを確認する必要があるということになります。
そのため、相続税も税務調査の対象になります。
税務調査とは、適正な申告納税制度を実現するために、提出された申告書と実際の財産状況を確認し、申告内容の訂正が必要であるかを確認する手続きとなります。
2 書面添付制度とは
書面添付制度とは、税理士法第33条の2に規定する書面添付制度と同法第35条に規定する意見聴取制度を総称したものです。
相続税の申告をする際、書面添付制度を利用すると、税理士が独立した公正な立場から、申告書の内容に関する詳細な説明や作成過程等を書面に記載し、相続税申告書に添付して申告をすることになります。
なお、書面添付制度は税理士にだけ認められた権利です。
そのため、相続人が自分で申告書を作成して提出する場合には利用できませんので、書面添付制度のメリットを考え制度を利用することを検討している方は相続税の申告を税理士に依頼する必要があります。
また、税理士によっては書面添付制度の対応を行っていない場合もありますので、相続税申告を依頼する前に書面添付制度について対応が可能であるかについて確認する必要があります。
参考リンク:日本税理士会連合会・書面添付制度
3 書面添付制度のメリット
書面添付制度を利用する場合、税理士が、どのような根拠資料から、どのような計算方法を用いて申告書を作成したのか、相続人からどのような相談があったか、その相談にどのように応じて、どのような助言や説明をしたかなどについて、あらかじめ書面に記載して、税務署に報告することになります。
このように、相続税申告にあたって、税理士が調査の際にポイントになりそうな事項など、重要な事柄について詳しく記載し、十分な調査のうえで申告していることを報告することで、税務署による税務調査がなされる確率を下げる効果があります。
また、書面添付制度を利用した場合、仮に税務調査が行われそうになったとしても、原則として、事前に税務代理権限証書を提出している税理士に対し、添付書面に記載された事項に関して意見陳述の機会が与えられることになります。
この意見聴取手続きにおいて、税務署は、税理士に対して申告書の内容について質問をし、税理士から十分な回答を得ることができれば、税務調査を行わないという判断に至ることもあります。
税務調査を行うかどうかについては、その税理士に対し通知が行われます。
また、問合せ後に修正申告を行うことも可能で、そのような形で修正を行った場合は、口頭により税務調査を行わない旨の連絡がなされます。
特に遺産総額が大きい事案の場合、税務調査の対象になりやすいといえます。
そのため、税理士に依頼する際には、将来の税務調査を見据えて、書面添付制度を利用することも検討されるとよいかと思います。
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