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「税務調査」に関するお役立ち情報

相続税で不服申立てをする場合

  • 文責:税理士 田中浩登
  • 最終更新日:2026年8月4日

1 税務調査の結果に納得が行かない場合の3つの対応手段

相続税について、税務署から税務調査が入り、その調査の結果が税務署長から通知される場合があります。

そのときに、税務調査の結果や処分等について不服がある場合には、被通知者・被処分者(納税者)は追加の調査を求めたり、処分の取り消しを求めたりすること(不服申立て)ができます。

その方法は、①再調査の請求、②審査請求、③訴訟といった段階を踏んでの対応となります(一部省略が可能な場合もあります)。

それぞれの手続きについて、期間制限がありますので、しっかり把握しておくことが重要です。

参考リンク:国税庁・税務署長の処分に不服があるとき

2 再調査の請求

税務署長が行った調査結果やそれに基づく更正処分等の課税処分や差押えといった滞納に関する処分について不服がある場合は、処分を行った税務署長に対して「再調査の請求」を行うことができます。

上記、国税庁のホームページの「税務署長の処分に不服があるとき」の図のAをご参照ください。

内容としましては、税務署長が、その処分が正しかった野かどうかについて、改めて見直しを行い、その結果を「再調査決定書」により納税者に対し、通知します。

その再調査については、1回目の調査とは人員等について改められたうえで、調査がされますので、異なる結論が下される場合があります。

こちらの再調査請求につきましては、処分の通知を受けた日の翌日から3箇月以内に、税務署長に対して請求を行う必要があり、その期間を徒過しますと、請求することが原則できなくなりますので、注意が必要です。

3 審査請求

納税者は、2の「再調査の請求」の結果を経た後の処分について不満がある場合に国税不服審判所長に対して、「審査請求」を行うことができます。

また、再調査の請求を経ずに、税務署により行われた更正などの課税処分や差押えといった滞納に関する処分について不服がある場合にも直接、国税不服審判所長に対して「審査請求」を行うことができます。

上記、国税庁のホームページの「税務署長の処分に不服があるとき」の図のCおよびBをご参照ください。

審査請求が行われますと、国税不服審判所長が、税務署長の処分が法律上正しいのかについて確認がなされ、法律上不適当と判断された場合は、処分の是正が行われます。

審査請求の方法についてですが、管轄審判所(元の処分を行った税務署の管轄によって異なります)に審査請求書を提出(窓口提出又は郵送)することで行われます。

参考リンク:国税不服審判所・提出先一覧

こちらの審査請求につきましても、処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内、または再調査の決定通知を受けた日の翌日から1か月以内に請求を行う必要があります。

審査手続きには弁護士、税理士その他適当と認める者を代理人とすることができます。

参考リンク:国税不服審判所・代理人と総代

4 訴訟

国税不服審判所の裁決を受けた後、なお処分に不服があるときは、地方裁判所に対し、訴訟を提起することになります。

そのうえで、地方裁判所(納税者の所在地管轄の地方裁判所)の裁判官が税務調査について審理し、税務調査の結果について取消を行うかについて裁判を行います。

この手続きについては、審査請求とは異なり、税務調査からいきなり訴訟を行うことはできず、審査請求とその裁決を経る必要があります。

その際の代理人は原則弁護士が行い、税理士は補佐人として訴訟に参加することができます(届出を行えば、特に裁判所の許可は不要です)。

訴訟ですので、地方裁判所の判断に不服があれば、高等裁判所への控訴や最高裁判所への上告も可能です。

こちらの訴訟につきましても、国税不服審判の裁決があったことを知った日の翌日から6か月以内に訴訟提起を行う必要があります。

一方で、国税不服審判所長への審査請求から3か月を経過しても裁決がない場合には、裁決を待たずに地方裁判所への訴訟提起を行うことも可能です(引続き訴訟とは別に国税不服審判所長の裁決を求めることも可能です)。

参考リンク:国税不服審判所・審理と裁決

5 不服申立てを行う場合の注意点

相続税について不服申立てを行う方法は上記のようにありますが、必ず不服の申立てが認められるわけではありません。

納税した税金が足りないため追徴を受けたことについて、不服申立てを行った結果、認められず、追徴分の納税が遅れますと、延滞税が課せられ、その金額によっては何百、何千万円の延滞税のペナルティを受ける場合があります。

そのため、不服申立ての手続を行う前に、更正処分を受けた分の納税は済ませておく方が無難です。

そうした払った税金について、払う必要がないと認められれば、更正の請求により、納めた税金の還付を求めることができます。

6 不服申立手を考えている方へ

相続税の不服申し立てを行う方法は様々ありますので、税務調査等に不満や疑問点がある場合は、積極的に活用するとよいでしょう。

ただし、期限があるものや手続きが複雑なものもあり、また、その不服申立てを認められるように主張するためには、高度な税務知識や経験が不可欠です。

そのため、税務に関する不服申立てを行う場合は、税理士などの専門家を利用される方が適切ですし、訴訟まで考えるのであれば、税務に詳しい弁護士にも併せてご相談されることをおすすめします。

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